COSMIC参加(オンライン)報告:(村上)
米国メリーランド大学にてCOSMIC(Consortium for Space Mobility and ISAM Capabilities)が、200人を超える人が参加し11月7,8日開催された。
ユーロコンサル日本事務所からはバーチャルで参加し情報収集を行ったので状況報告を行う。
COSMICは昨年ホワイトハウスが軌道上組立について米国として戦略的に取り組むべき領域と位置付け技術開発を促進する方針を打出し、取り纏め機関としてNASAを指定し、開始された会議である。
ホワイトハウスの認識としては、月面ミッションを考えた時、軌道上の燃料補給や組み立ては必須であり、これらの技術開発を促進し、宇宙開発を引き続きリードしたい意図を感じている。今回のコンソーシアムにはSSA(軌道上物体監視)も含まれており軌道上の安全をどの様に確保して行くかの検討も行われる。
会議ではNASA副長官が、月面や火星ミッションを睨んだ上で軌道上組立(ISAM)の必要性について強調していた。システム的にはミッションの達成の確立を上げる為に、極力シンプルなシステムにしたいものの、StarshipやBlue Moonが複数回の燃料補給を行う必要があり、この技術開発がミッションの成否を大きく左右する状況になっていることや、Gatewayの組立やその後の月面開発でロボットや組立が多数必要になってくる状況を踏まえて米国の総力を挙げて取り組む課題であると述べていた。
米軍からは空軍宇宙本部のOlson少将が米軍としての必要性を述べていた。デブリにより衛星運用が危険に晒されている状況改善は勿論のこと、軌道上のシステムのロバスト性が危険に晒されいる状況を説明していた。米軍としては、地球低軌道、中軌道、静止軌道のシステムを効率的に機能アップさせて行くことを考えていると共に将来を考えると月や火星における安全保障を確保する為の活動を今から行っておく必要があると述べていた。
ホワイトハウスからも科学政策担当が出席し、本件の予算の確保と開発の促進がバイデン政権の方針となっていると述べていた。
NASAのシステムや米軍のシステムが別なものとなっており、インタフェースを意識した設計になっていないことは効率が良いとは言えない。米軍内でもメーカ毎にシステムが異なっており、インタフェースが取れていないことは問題であり、改善が必要と述べていた。
国際標準化について、どう考えているかとの質問があったが、先ずは米国としての整理を優先したいと述べていた。
Kick Off meetingは1日であり、今回は意識合わせと言う意味合いが強かった。この分野はミッションに応じて要求が多岐に渡っており、政府内での意識も総論では賛成ではあるものの各論では難しさを抱えているのも事実である。
ただ、この様な活動が必要であることは参加者が共通して述べていた。
今回はバーチャルでの参加であり、ステーキもワインも味わうことが出来なかった。
バーチャルは効率的である反面、人との交流や現地でしか味わえない食べ物が味わえないのが残念である。次回会議は何とか参加したいが。
2023年11月 宇宙ビジネス関連『事業ポジション別』・『市場分野別』トピックス
| 【Established Space及び他トピックス】 | 【Hybrid Space】 | 【Emerging Space】 |
【衛星】 | ■SES、O3b mPowerの電気的問題は想像以上に深刻[NO.002] ■デルタ航空、400機のWi-Fiをヒューズに変更[NO.011] ■中国初の端末間低軌道衛星通信試験が成功[NO.013] ■デルタ航空、ヒューズの機内接続サービスを採用[NO.021](図-1) ■Viasat、インド太平洋軍事演習で米空軍を支援[NO.022] ■米国防総省がSESにMEO BPAを発注[NO.023] ■韓国と北朝鮮、初の国産軍事スパイ衛星の打ち上げを競う[NO.024] ■「中国北斗産業発展指数報告書」が発表[NO.025] ■Avanti、マルチ軌道接続プロバイダーとなるべくLEO交渉中[NO.027] ■WRC-23に向けた等価電力束密度(EPFD)の制限値見直し案で衛星業界が対立[NO.028] ■Avanti、マルチ軌道戦略で事業の位置づけを変更[NO.036] ■北斗システム、世界民間航空の汎用衛星測位システムに[NO.045] ■ロッキード・マーチン、宇宙ベースの5Gネットワークを実証へ[NO.048] ■ノルウェー、宇宙事業拡大向テレナーの衛星事業を買収[NO.049] ■SESが主導するEAGLE-1システムのコンソーシアム、TNOとエアバスの光地上局納入を歓迎[NO.051] ■ペルー初の通信衛星の遅延がフィリピンにチャンスをもたらす[NO.054] ■宇宙軍、軌道上でのスピードと敏捷性の未来に注目[NO.055] ■ITU無線通信総会、IMT-2030に向けた6G開発+周波数帯+軌道資源の持続可能な利用のアジェンダを設定[NO.057] ■MDA、非静止軌道衛星コンステ開発許可を受領[NO.060] ■L3Harris JUPITER 3™宇宙用反射鏡の展開に成功[NO.061] ■Viasat、衛星の出力制限見直しはGEOの技術革新に打撃を与えると警告[NO.070] ■北朝鮮が偵察衛星の打ち上げに成功したと発表[NO.072] ■中国が衛星インターネット技術試験衛星の打ち上げに成功[NO.073] | ■HawkEye 360が米海軍と太平洋における海上監視契約を締結[NO.004] ■自律航行のための衛星による画期的な進歩[NO.012](図-3) ■SpaceRake社、光通信端末のSDA資金獲得[NO.014] ■英国、OneWeb Gen 2と欧州のソブリン・コンステ構想の統合を推進[NO.020] ■Telespazio、衛星システム・エンジニアリング会社を買収し英国市場に参入[NO.032] ■テレサット、ネットワーク・オーケストレーションの提供にAalyriaを採用[NO.042] ■ViasatとSkylo Technologiesが世界初のD2Dネットワークを開始[NO.066] ■防衛イノベーションユニット、宇宙ネットワークプロジェクトの新規提案を募集[NO.083] | ■Ovzon社、GEO衛星初号機の配備期限を再延長[NO.010] ■Planet初のPelican技術実証機等打上げ[NO.035](図-5) ■Rogue Space、Barry-1 OSVを打上げ[NO.037] ](図-6) ■Spire Global、コンステマネジメントプラットフォームを発表[NO.039] ■Rogue Space Systems社とRocketStar社の革新的な水性推進システム、ペイロード・ホスティング・プログラムを提供へ[NO.052] ■アマゾン、プロジェクト・カイパー・プロトフライト・ミッションの成功率100%を確認[NO.058] ■中国が「空飛ぶ絨毯」のような衛星を開発中[NO.071] ](図-7) ■EnduroSatの新衛星スペースセンター、2週間以内の衛星モジュール納入を可能に[NO.078] ■HummingSatは世界初の商用GEO小型衛星であり、宇宙イノベーションの新たな章を創造[NO.079] |
【打上】 | ■宇宙軍、ULAとスペースXに国家安全保障ミッション割当て[NO.001] ■ノルウェー、Andøya宇宙港をオープン[NO.017](図-2) ■アリアン6、長時間スタティックファイヤ試験を完了[NO.074] ■中国初の商業宇宙発射場、2024年は定期的な打ち上げ実現へ[NO.076] | ■スペースX社によるSES O3b mPOWER MEOサット第5号機+第6号機の打ち上げ成功[NO.034] | ■中国のスペース・パイオニア社、ファルコン9級ロケットの資金調達を実施[NO.003] ■アストラ、資金不足で貸し倒れ[NO.018](図-8) ■完全再利用可能なロケット「Nova」を開発、宇宙スタートアップの新旗手Stoke Space[NO.019](図-9) ■Quantum Space、Scout-1を打上準備完了[NO.038] (図-10) ■スペースXが新型ロケット「スターシップ」第2回飛行試験を実施 宇宙空間に到達も信号途絶[NO.056](図-11) |
【その他】 | ■Viasat、インマルサット買収後、グローバル従業員10%削減[NO.015] ■ホワイトハウスの提案は、ミッション認可を商務と運輸に分割[NO.043] ■タレス・アレニア・スペース社、トルコ初の月探査ミッションに中継器を提供[NO.065] ■米国防総省、優位性を求めて商業スペースに注目[NO.075] ■中国の宇宙ステーションコンビネーションの高画質全体写真が初公開[NO.082] | ■軌道上のデブリに対処するために設計されたエアバスの特許取得済み「Detumbler」[NO.053](図-4) ■Orbit Fab、英国宇宙庁の支援で宇宙燃料補給の先陣を切る[NO.067] | ■ヴァージン・ギャラクティックが5回目飛行成功[NO.016](図-12) ■インテュイティブ・マシーンズ、月着陸ミッション「IM-1」の打ち上げは2024年1月12日以降に 目標は月南極域のクレータ[NO.026] (図-13)、2024年に最大3機の月着陸船ミッションを計画 [NO.033] ■Astrolab、商業月探査機ミッション初顧客発表[NO.064](図-14) ■Axiom Spaceがアマゾン・ウェブ・サービスと全面提携[NO.081] |
【国内】 | ■JAXA「深宇宙探査技術実証機」打上げ、25年度に延期 [NO.005] ■H3、打ち上げ失敗の原因は3つ JAXAが報告書[NO.006] ■H-IIAロケット48号機24年1月11日に打上予定[NO.031] ■東京海上日動とJAXAが「宇宙リスクソリューション事業」に関する共創活動を開始[NO.044] ](図-15) ■空自、虎ノ門の「宇宙協力オフィス」公開 情報交流積極化[NO.076] ■JAXAにサイバー攻撃、「機微情報の漏洩ない」[NO.080] | ■防衛省、新興4社と意見交換[NO.007] ■ACSL、「みちびき」の信号認証実験にドローン提供[NO.009] ■リッジアイ、AIでJAXAに協力 “仮想地球”活用例[NO.062] ■損保ジャパン、宇宙事業支援 衛星開発の相談に対応[NO.068] ■NTTなど、アマゾンと衛星通信で協業 日本企業・自治体に提供[NO.077] | ■ドコモ、企業向けスターリンクを年内提供[NO.008] ■丸紅、小型衛星関連の伊社に出資[NO.029] ■鹿島、月面施工技術の妥当性確認[NO.030] ■デジタル活用で宇宙機器の開発状況可視化 アミュラポ[NO.040] ■竹中工務店が移動式現場事務所 衛星通信を搭載[NO.041] ■ElevationSpace、東北ゆかりの品を宇宙へ[NO.046] ■サグリ、タイで土壌分析 AI活用し施肥を最適化[NO.047] ■ispace、探査車のデザインを公開[NO.059](図-16) ■シッピオ、海上貿易デジタル管理に社外との連携追加[NO.063] ■清水建、超高層ビルで高速通信実現[NO.069] |