お世話になった皆様へ
2023年7月31日
葛岡 成樹
ご挨拶
いつも大変お世話になっております。
この度7月31日をもって、株式会社サテライト・ビジネス・ネットワーク(SBN)の代表取締役およびSAS EUROCONSULT日本事務所(EC-JP)の代表を辞任することと致しました。両社とも弊社シニアコンサルタントであった村上淳に後を託します。
この7月でちょうど70歳となり、またSBNも開業してから10年が経ちました。今までの仕事・人生を切り替える最後の機会だと思っております。10年前定年退職直後にSBNを開業した際はSBNが最後の仕事だと思っていたのですが、皆様のおかげで10年間継続することができました。このまま同じようにSBNを続けていくことも考えたのですが、もう一度何か新しいことを始めようとすると今が最後の機会かと思いこの結論に至りました。
とはいえ宇宙の技術・ビジネスしか経験していない人生です。この歳ですが、まずは大学等で新しい世界を再度学び直したうえで、新しいことを始めたいと思っております。分野も宇宙に拘らずもっと広い世界で面白いこと、新しいことを見つけていきたいと思っています。現状ではまだなにを始めるかははっきりしていません。何を始めようか、と探ることを最初の楽しみにしたいと思っております。新しいこと、面白いことをお持ちの方、ぜひ声をかけてください。
今からちょうど10年前、2013年4月に個人事業としてサテライト・ビジネス・ネットワークを創業しました。それまで三菱電機・イメージワン・日本電気と衛星開発及び衛星利用を技術者として直接担当していた35年の経験を活かし、定年退職後の仕事として個人コンサルティングを始めたのがSBNの最初でした。幸いなことに皆様の温かいご支援を得ることができ、航空機SARの海外市場調査やちょうどその当時初めて言葉を聞いたクラウドの衛星データ処理への利用について、調査・検討を担当したのが最初の業務として思い起こせます。
個人事業で始めたコンサルティングでしたが、お客様が政府や大企業だったために法人化しろとのご要望が強く、開業後1年たった2014年6月2日に個人事業を法人化し、株式会社サテライト・ビジネス・ネットワークとして本格的にコンサルティングビジネスに乗り出しました。
ちょうど世間では小型衛星を使ったニュースペースが米国を中心に大きく動いていた時、日本でもすでに宇宙ビジネスを狙うスタートアップが数社設立されていました。大企業の技術者としての経験から、小型衛星では何もできまい、という感覚を持っていたのが正直なところです。しかしその後ニュースペースの動きが早く、あっという間に小型衛星と従来の大型衛星が共存する時代になったのは皆様ご存じの通りです。この大きな変化の時代、米国・欧州を中心に海外のトレンドをいち早くとらえ、日本の皆様にお届けするのがSBNの最初のミッションでした。このため欧米のコンファレンスに足しげく通うようになりました。
また以前より友人であったEUROCONSULTの者に誘われて日本に事務所を作らないかという話があり、フランス大使館などと調整の結果2015年1月1日付でEUROCONSULTの営業所としてEC-JPを日本で正式に登記し、ビジネスを開始いたしました。EC-JPとしては世界における宇宙活動にかかわる制度についての調査が初めて担当した業務であり、その結果が宇宙活動法やリモートセンシング法の整備につながったのは良い思い出となっています。
その後SBNとEUROCONSULTの二枚看板で業務を進め、いつの間にか村上・大石・後藤と3人の仲間にも恵まれ、サポートされて今日まで来ました。気づけば地球観測の技術者だった私が衛星通信や輸送・探査、また技術だけではなくビジネスコンサルテーションにも活動範囲を広げるようになりました。お客様に導かれ、私自身常に新しいことを学ぶ日々でした。とくに海外の企業との関係性を重視し、非日本企業が日本の宇宙市場に参入するお手伝い、スタートアップ企業へのデューディジリジェンス、B-to-Bマッチングなど技術とは全く異なった分野での業務に携わることができたのは幸せでした。
この10年間、本当にありがとうございました。
また今後どこか新しい世界でお目にかかれること、ご一緒できる機会が出てくることを楽しみに新しい生活を始めたいと思います。
最後にはなりますが、皆様の健康とビジネスの成功、そして宇宙ビジネスのさらなる発展を祈念して皆様へのご挨拶とさせていただきます。