海外宇宙ビジネス・マンスリーニュース

2026年1月31日 (株)サテライト・ビジネス・ネットワーク

編集者:岡屋 俊一
発行責任者:村上 淳

論説:我が国の予算動向について(村上)

今回は、我が国の予算動向について報告させて頂きます。予算案は初めて1兆円を超えています。
10年間で1兆円の戦略基金があったり、安全保障関係の予算の増額があったことが大きな要因となっています。

財政的に厳しく、国民が物価高に苦しむ中、何故、今宇宙の予算を増額する必要があるのか。宇宙関係従事者は仕事が増えることになるので疑問を持たないかと思いますが、一般国民目線からは結果を出してくれるのだよねと言われるレベルまで来た気がしています。

今までは、このままでは世界に置いて行かれる。産業として成り立たなくなる。これをやれば世界に勝てると言って予算をつけて貰って来た訳ですが、ここまで予算が大きくなるとしっかりと結果を出すことが求められて来ていると思っています。

過去30年間で日本の産業は世界の工場から町工場になってしまい競争力を著しく低下させています。日本の宇宙産業はもっと状況が悪く米国、中国と大きく水を開けられてしまいました。
最早背中が見えず気が付いたら2周回遅れになっています。

世界の潮流が再使用ロケットに移行して、2日に1度衛星を打上げる企業が出て来ている中、我が国は衛星を安定的に打上げて、国内だけでなく海外からも受注出来る様にすることを目標として来ましたがそれすら実現出来ていません。

衛星も世界で小型衛星によるサービスが拡大したり、デジタル化やAIの採用が進む中、我が国は世界で競争力のある衛星メーカが不在となっています。衛星を小型化するのも良いのですが、競争力のあるシステムやメーカが居なけば次に繋げることが難しくなってしまいます。

戦略基金では、産業基盤の強化と競争力の強化が上げられています。基金の資金を使って世界で戦える企業が少しでも出て来てくれることを期待しています。

米国では民間が開発したシステムを政府が採用することが必要との認識が広まって来ています。我が国では国によるアンカーテナンシーが必要との議論が行われていますが、そもそも進みが遅い国のミッションの契約を期待するのではなく、民間がどんどんビジネスを行って、政府が使わせて欲しいと言わせる位の頑張りが民間に期待されているのにと思っています。

とは言っても宇宙開発は政府との関係が強くてそう簡単には行きませんが。
2026年が宇宙産業飛躍の年として皆さんの記憶に残る様な発展の礎となって欲しいと強く思っています。政府予算の1%の宇宙が産業としてはGDPの5%は担える様になって欲しいと思っています。

隣の国の中国は宇宙を重点分野と位置付けて、米国から主導権を奪いたいと思って活動を行っています。宇宙開発で日本と中国の差は大きく開いており、比較が出来ないレベルまで来てしまいました。そのことを謙虚に受け止めて飛躍を目指すことが宇宙やAIで必要だよなあと思っています。


2026年1月 宇宙ビジネス関連『事業ポジション別』・『市場分野別』トピックス

【民間宇宙トピックス】【防衛宇宙トピックス】【その他】
【衛星】■Starlinkは破片リスクを軽減するため4,400基の衛星の軌道降下を開始(002)
■Array Labs社は3D地球マッピング用レーダー衛星の生産を拡大するため2,000万ドルを調達(007)
■英国宇宙局が遅延時緊急サービスネットワーク向けの衛星Direct to Driveソリューションを模索(009)
■NASAは居住型世界観測所の開発を加速させる(014)
■民間グループが大型宇宙望遠鏡の計画を発表(018)
■ランドスペース社が中国メガコンステレーションプロジェクト打上げ契約を獲得(023)(図-6)
■ユーテルサット社がAirbus社に340基追加OneWeb LEO衛星発注(033)(図-10)
■ESAとクリアスペース社がデブリ除去技術試験PRELUDEミッション発表(035)(図-11)
■Sat-Lite Technologies社はマルチオービット市場拡大の中で経営幹部のリーダーシップを拡大(042)
■クリーン軌道へのカウントダウンは、ESAのゼロデブリチャーターによって開始(053)
■Eutelsat社がOneWeb衛星の打上げ契約をMaiaSpace社と締結(057)
■Google社がProject Suncatcher AIコンステレーションの軌道デブリリスクに対応(059)
■Keysight社はAirbus UpNext社と協力して5G NTN SpaceRANデモンストレーターを開発(067)
■ブルーオリジン社が特別仕様の高速スターリンク競合機を計画(072)
■ロシア版スターリンク打上げは生産能力不足のため2026年に延期(078)(図-23)
■Astranis社はオマーンの顧客を夏期GEO打上げラインナップに加える(082)
■Exotrail社とAstroscale France社が協力してLEOの軌道離脱能力構築に取り組む(085)
■COSMO-SkyMed第2世代衛星がFalcon 9で軌道投入(003)
■米国宇宙・サイバー司令部がマドゥロ捕獲の大規模な空襲支援(008)
■新宇宙開発競争;米国、中国、EUのAI統合軌道インフラ構築競争(012)
■米国宇宙軍は「Handle 2.0」契約で衛星の標準化を進展(015)
■米国SDAが Tranche 3 グラウンドエントリーポイント拡張に関する業界からの意見を募る(020)
■クレイトス社は防衛政策の産業再投資への転換を支持(021)(図-15)
■米国Rhea社は軍事ランデブーミッションに光学航法適用(022)
■米国宇宙軍は2026年にシステム取得/統合をより迅速に行う (025)
■オービオン・スペース・テクノロジー社が防衛コンステレーション向けにヨーク・スペース・システムズ社に33基オーロラ推進システムを納入(032)(図-9)
■米国宇宙軍は競争を求め、衛星メーカーは安定性を求める(037)
■MDAは第3期大規模Trancheで340のベンダー企業を1510億ドルのSHIELD企業に加える(047)(図-13)
■ICEYE社はウクライナ国防省との宇宙基盤情報提供協力を拡大(058)
■宇宙軍は“レジリエントGPS衛星プログラム”を終了(061)
■米国SDAは”proliferated LEO warfare”の基盤としてレーザーメッシュネットワークを実戦化(066)(図-18)
■スターフィッシュ社はSDA衛星軌道離脱契約獲得(071)(図-21)
■宇宙軍司令部は戦闘能力強化でGPS III打上げへ(077)(図-22)
■米宇宙軍が次世代GEO偵察衛星契約者選定予定(084)(図-24)
■もうタダ乗りは終わり:宇宙の安全のお金を支払う時代です(005)
■L3Harris社は宇宙推進機器開発部門の過半数株式をAEインダストリアルに売却(006)(図-1)
■L3Harris社は事業を3つのセグメントに統合。宇宙・ミッションシステム部門を創設(010)
■宇宙は経済的産業になりつつある(029)
■ポータルスペース社が2026年ミッション向けにスペース・アーマー・デブリシールド方式を選択(044)
■TrustPoint社は低軌道衛星向けの非GPSナビゲーションを実証(045)
【打上】■NASA天体物理衛星及び商業衛星がSpaceXのライドシェアで打上げ(026)
■インドのPSLVロケットが打上げ中に失敗、16基の衛星が喪失(027)
■SpaceX社のトワイライトミッションはケプラーやホークアイ360を含む22基のエクソローンチ社衛星を軌道展開(031)
■ファイアフライ社がアルファロケットの信頼性向上のためのアップグレードを実施(036)
■CASスペース社が初のサブオービタル打上げ及びカプセル着陸試験を実施(041)
■アリアンスペース社が2月にAmazon LEOの打上げ準備を開始(046)(図―12)
■ドイツのIsar Aerospace社が2回目のSpectrumロケット打上げを計画(052)(図-15)
■SLS/オリオンがアルテミス2ミッションのために射点に移動(055)(図-16)
■中国は長征3B号とセレス2号のデビューミッション失敗(056)
■中国の民間企業Galactic Energy社が連続打上げるが、Ceres-1Sは成功、新型Ceres-2の初飛行は失敗(062) 
■「長征12号」を打上げ、衛星インターネット用低軌道衛星群を軌道投入(068)
■バルカンロケットは国家安全保障衛星打上げで2026年を開幕(019)(図-4)
■ペンタゴン長官が米軍兵器廠のロケット研究所の自由なツアーを主催(024)
■SpaceX社及び中国が2025年に軌道打上げ新記録達成(001)
■中国が短時間でロケットを連続打上げ、「遥感50号01星」と「衛星インターネット低軌道衛星群18組」を軌道投入(039)
■中国が新型再使用型長征12Bロケットの地上燃焼試験を実施(050)
■ギルモア・スペース社が1億4600万ドルを調達(064)
■ロケットラボ社はニュートロンロケット実験失敗に見舞われる(075)
■ブルーオリジン社は次回打上げでニューグレン・ブースターを再使用する予定(076)
■中国は再使用型液体ロケットの初の沖合回収プラットフォームを確定(080)
【その他】■中国の宇宙飛行士チームが月面ミッション準備としての洞窟訓練を完了(004)
■ブルーオリジン社のブルームーンMK1着陸機はアルテミスにとって「革新的で手頃、かつ迅速な」変革をもたらす(013)(図-2)
■intuitive-machines社は月面着陸以降に集中したインフラ拡大を進める(016)(図-3)
■医療上の問題でクルー-11のISSミッションの早期終了(017)
■NASAはアルテミス2号打上げまでの行程を概説(028)(図-7)
■NASAが月と火星の探査を加速させるための重要技術不足解消を狙う(030)(図-8)
■ブラックムーン・エナジー社はJPLと提携してヘリウム3資源ミッションを推進(034)
■損傷した神舟20号宇宙船は再突入無事成功、神舟23号は宇宙港到着(074)
■NASAがゲートウェイへの物資輸送の代替案を検討(086)(図-25)
■アクシオム社は5回目の民間宇宙飛行士の宇宙ステーションミッション獲得(087)
■2026年の米国防衛予算案で宇宙軍に260億ドルが投入され、国防総省にゴールデンドーム計画推進を要求(065)(図-17)
■米国はロシアの宇宙進行に対して脆弱だと新たな報告が警告する(073)
■ゴールデンドーム計画は国防総省にミサイル防衛経済性を問う(079)
■米国議会はホワイトハウスの削減要求を拒否し2026会計年度にNASAに244億ドルの予算を提案(011)
■米国議会が“NASA削減案”を否決する“ミニバス支出法案”を可決(043)
■2030年までに月面用原子炉を開発するMOUをNASAとDOEが締結(049)(図-4)
■ホワイトハウスがNASA副長官候補を再提出(054)
■NASAは即行動し、米国の宇宙リーダーシップ確保が必要(060)
■NASAが惑星科学グループへの支援を終了(070)
■NASAは地球科学の拡張ミッションのパートナーを募集(081)
【国内】■アクセルスペース社は地球観測衛星「GRUS-1E」商用運用を再開 (038)
■Ispace社はJAXAと月域のデブリ対策で契約、ミッション終了後の廃棄方法など整理(040)(図-19)
■NASA有人ミッション「Crew-11」の宇宙船が地球に帰還、JAXA油井亀美也宇宙飛行士ら4名が搭乗(048)
■インターステラー・テクノロジーズ社が1億3,000万ドルの資金を調達(051)
■スペースワン社がカイロス3号機ロゴ掲載イメージ発表 2026年2月打上げ予定(063)(図-20)
■H3ロケット8号機の2段目は「みちびき」5号機を喪失したまま飛行 (069)
■JAXAはH3の8号機失敗はフェアリング分離時異常による可能性があると説明(083)