海外宇宙ビジネス・マンスリーニュース
2025年2月28日 (株)サテライト・ビジネス・ネットワーク
編集者:岡屋 俊一
発行責任者:村上 淳
論説:米国トランプ政権での宇宙開発について(村上)
米国トランプ政権が発足して、1ヶ月が過ぎた。宇宙政策に関して正式な発表はないが、ここまでの動きを見る限りにおいて、Artemis計画を現在の計画のまま推進することはなさそうである。また、地球観測ミッションや科学技術ミッションの予算削減要求は大きなものになりそうである。
NASAでは現在の計画を推進する意向を示すだけでポストを追われる事象が起こっており、意を唱えることは憚られる状況となっている。
宇宙開発は政府の方針に基づいて実施して来ており、良いも悪いも政治的な影響を都度受けて来た。様々な方針変更により都度方針変更を余儀なくされて来た。
今回も様々な観点で影響が出るのは避けられそうにはない。
NASAやDoDの仕事のやり方が効率的かと言われればそうでないところは多々ある。DoDでは機能がラップしているところが多くあり、良く言えば冗長性を持たせていると言うことだが、悪く言えば効率的でないのは事実である。DoDでは今後5年間で8%の予算削減がホワイトハウスから指示されている。2年以内の非正規社員や民間契約の社員の解雇やコンサルタント契約の見直しを考えているとのことである。ここで捻出した予算は国境警備や新規防衛システムの開発に充てられるとのことである。転職を行い易い米国であるとは言え急に辞めろと言われても夫々生活があるので困惑していると思われる。また、メスを入れ易いところに手を入れているとも思われる。
NASAについても多数のセンターがあり、機能も重複しているところもあるし、SLSに至っては1回の打上げ費用がNASAの予算の半分近くになっている。MuskがSLSは雇用確保と言う意味では素晴らしいと言われても仕方ない面は否定できない。
DoDもNASAもこの混乱が早く収まり、定常的な業務に復帰させて欲しいと思っていると思う。外部にいる小生もその様に感じている。
一方で、近年言われている通り、DoDもNASAも優秀な人材を集められなくなって来ている。
公僕として社会に貢献していると言って胸を張っていたのにこうやって首を簡単に切られる様では忠誠心が薄れてしまうのではと感じざるを得ない。
月に行くのか、ISSは早期に中止するのか、火星を目指すのか。選択肢は色々あるかと思うが、NASAと言う大きな組織を有効に機能させることも考えないと上手く機能しなくなるのではと危惧している。米国は民主主義国家で中国の様な1党独裁ではないので、大統領やMuskがこうだと言っても上手く機能するかは説得力のある施策を打出せるかによっている。
今後打出される政策がより魅力的で一体感を持って進められることを希望している。
2025年2月 宇宙ビジネス関連『事業ポジション別』・『市場分野別』トピックス
【Established Space及び他トピックス】 | 【Hybrid Space】 | 【Emerging Space】 | |
【衛星】![]() | ■米国宇宙軍がViasat社に350万ドルの衛星サービス契約を発注(004) ■衛星のモジュール化に伴う垂直統合の進化事例(008) ■推進系は衛星システムとその選択肢を変化させる(012) ■ボーイング社がSLS関連従業員にレイオフの可能性を警告(016) ■中国コンステレーションSpacesail社がマレーシアのMeasatと契約締結(017) ■ロッキード・マーティン社とボーイング社は軍事衛星契約を競合(018) ■共和党の上院議員は19.50億ドルの法案で「アイアンドーム」計画支持(019) ■DARPA宇宙製造プログラムは軌道上デモに選ばれた2チームで推進中 (023) (図-8) ■エアバス社は英国軍向けのレーダー画像衛星を製造 (029)(図-10) ■L3Harris社が自律的に群れを制御する新技術を発表(033) ■宇宙開発庁は衛星ネットワークを「アイアンドーム」に統合の業界意見追求 (036)(図-13) ■米国とインドは宇宙イノベーションにおける協力を拡大(045) ■今より高価になる宇宙船供給における政府の関税の役割は(050) ■トランプ大統領は、「アイアンドーム」構想を盾に2026年の国防予算から500億ドルの削減を命令(052) ■監視の目が厳しくなる中、宇宙開発庁の衛星調達が進む(061) ■宇宙軍がアイアンドームで「中心的な役割」を演じる(062) ■ユーテルサット社がLEOでの先駆的な5Gテストを歓迎(065) ■アメリカはより強力な宇宙軍を必要とする(067) ■ヴァージン・ギャラクティック社は3月に新型スペースプレーンの組立てを開始(072) ■ペンタゴンがミサイル防衛構想を改称(077) | ■Redwire社が宇宙軍の燃料給油実証衛星契約を獲得 (030) (図-11) ■Apex社が4,590万ドルの米国宇宙軍契約を受注 (039)(図-15) ■ユーテルサット社はStarlinkが衛星ネットワーク再構築に伴いGEO戦略を変更(041)(図-16) ■米国宇宙軍がFirefly社に2,180万ドルの契約発注 (043)(図-17) | ■フランスの宇宙推進系開発会社ThrustMe社が米国での事業展開を拡大(007)(図-3) ■Vast社がHaven-1のテストを開始し、打上げスケジュールを変更 (013)(図-5) ■ジオスト社は軍事衛星プログラムでの契約違反でシエラスペース社を訴える(014) ■MEASAT社がSPACESAIL社と提携し、LEO衛星サービスを推進 (021)(図-7) ■MDA Space社はGlobalstar次世代コンステレーション用衛星を製造(024) ■ユーテルサット・アメリカ社とOneWeb Technologies社がヒューズ社と提携し、L3Harris社のマルチミッションRASORエコシステムにLEO運用能力を提供(031) ■Amazon社のKuiper-1打上げが前倒し(032) ■アルカディア・スペース社がMaiaSpace社のスラスターを供給(035) ■Rubicon社がNASAの大型ASCENTスラスター開発契約を受注 (046)(図-18) ■Globalstar計画が急浮上(048) ■True Anomaly社がロングビーチ工場を開設(051) ■英Magdrive社が1,050万ドルを調達し、米国オフィスを開設(064) |
【打上】![]() | ■長征8号A初打上げで、国光メガコンステレーション第2群が軌道投入(026) ■アリアンスペース社は2025年に5回のアリアン6の打上げを計画 (028)(図-9) ■L3Harris社がArtemis Vロケット用のRS-25エンジン1号機組立完了(049)(図-21) | ■SpaceX社はMaxar3のWorldview Legion 5 & 6号機を打上げ(002)(図-1) ■米空軍がシエラスペース社上段ロケットエンジンの契約延長 (034)(図-12) | ■Blue Origin社がニューシェパードを月重力模擬弾道飛行で打上げへ(006) ■Blue Origin社は春の終わりに2回目のNew Glennの打上げを計画(038)(図-14) ■Ursa Major社は中型ロケットエンジンの「Iron Dome」への適用を期待(044) ■Rocket Lab社とSpaceX社は数分間隔でお互いに打上げを実施(047) ■ABL Space社が防衛市場に事業戦略を移し、Long Wallに社名を変更(056) ■Isar Aerospace社が最初のSpectrumロケットの試験を完了 (058) (図-22) ■ファルコン9上段の再突入時の制御不能は推進剤漏洩によるものと原因特定(059) ■ギルモア・スペース社がエリス・ロケットの打上げ時期を発表 (063)(図-23) ■Blue Origin社が10回目のNew Shepardの弾道有人宇宙飛行実施(066) ■ヴァージン・ギャラクティック社は3月に初の新型スペースプレーンの組立てを開始(071) ■Rocket Lab社が2025年のニュートロン初打上げ確認 (076) (図-25) |
【その他】![]() | ■安全パネルはNASAにアルテミス計画の目的を再評価するよう促した(001) ■ESAの月着陸機「Argonaut」について欧州企業と契約を締結 (005)(図-2) ■タレス・アレーニア・スペース社がゲートウェイ・エアロック開発契約を受注(009)(図-4) ■中国が有人月面探査用宇宙服に「望宇」、有人探査車に「探索」と命名(037) ■中国が有人月面着陸ミッションを支援するための月衛星の入札を募集(040) ■米国とインドは宇宙イノベーションにおける協力を拡大(045) ■中国は天問2号により打上げられる小惑星サンプルリターン宇宙船を準備(054) ■下院議員は、NASAでのDOGE活動の詳細を求る(057) ■NASAはイノベーション推進力を維持(068) ■Intuitive Machines社の月着陸船2号機の打上げの準備完了 (069)(図-24) ■下院公聴会はアルテミス計画の改善方法を議論(070) ■中国は天宮宇宙ステーションに向けてパキスタンの宇宙飛行士を訓練中(075) | ■DIUはスターシップ宇宙船利用による燃料給油を研究 (015)(図-6) ■NASAとSpaceX社がCrew-10の遅延を減らすためにCrew Dragon 宇宙船を交換(027) | ■Astrolab社が月面車FLIPをAstrobotic社のGriffin-1着陸船で飛行(010) ■Starlab Space社がISSに代わる商業宇宙ステーションで1,500万ドル受注(022) ■BlackSky社は市場優位性を追求できる次世代イメージング衛星を打上げ(025) ■ブルーゴースト1が月周回軌道に入り、レジリエンスが月の近傍を航行(042) ■マスク氏はできるだけ早いISSの軌道離脱を呼びかける(055) ■ヴァージン・ギャラクティック社は3月に初の新型スペースプレーンの組立てを開始(073) |
【国内】![]() | ■JAXAはH3ロケット5号機打上げ、「みちびき」6号機を搭載(003) ■日米の声明で将来が不透明なアルテミス計画について言及(020) ■内閣府は準天頂衛星システム「みちびき」6号機が静止軌道投入を公表(060) ■JAXA「イプシロンS」第2段モータ再地上燃焼試験時爆発原因調査報告(074) | ■スカパーJSAT社はプラネット社のLEO発注の影の顧客である (011)(図-19) ■Ispace社の月着陸機「RESILIENCE」が月フライバイに成功 (053)(図-20) |