海外宇宙ビジネス・マンスリーニュース
2025年3月31日 (株)サテライト・ビジネス・ネットワーク
編集者:岡屋 俊一
発行責任者:村上 淳
論説:Satellite2025について(村上)

3月9日米国は夏時間となった。
毎年夏時間を迎えるとSatellite Conferenceの開催となる。
このコンファレンスは兎に角規模が大きい。今回は15,000人が参加した。過去最大の規模となったことであった。コンファレンスは元々Commercialの活動の一環としてスタートしたが今回から政府・軍関係のセッションも並行して実施された。
米軍は現在民間の技術ややり方を取入れ、軍の革新を図る必要があると強く思っている。従来は大手企業のみがロケットや衛星開発・製造を行って来ており、閉鎖的なシステムが作られて来ていた。イノベーションが起きない、金食い虫の世界となっている。これを改変しないと行けないとの意識が政府に強く働いている。この様な中、コンファレンスも商業のみでなく軍の活動を積極的にアピールする必要があるとの意見が米軍の中にあり、今回の改編に繋がった。
まだ、内容的にはオープンな議論をどの様に行うべきか模索中のところもあるものの政府の調達方針に対して意見を言ったり、民間支援の在り方を議論したり、オープンな場だからこそ、意見交換が活発に行われているのは米国らしさを感じられて心強かった。
参加者は勿論投資家から弁護士、オペレータ、メーカ、政府関係者、スタートアップと多岐に渡っている。弁護士事務所がこれに併せて政府の活動や政府の方針について説明する会を開催していた。意見交換の場であるが何を困っていてどう解決するか議論して行く内に仕事の話になるところが面白い。何でもビジネスの機会と捉えて活動するところは米国らしいと感じた。
展示や参加者の動きで少し気になったのが、大手企業のLockheed Martinが今年から展示をやめて参加者も絞っていた。苦戦が続くBoeingも参加者を削減していた。
両社ともに商業衛星の市場で苦戦している上に米軍向けのシステムでも小型衛星の台頭に苦しんでいる状況からコンファレンスの参加どころではなくなったと言うことであろうか。
古い世代の小生としては、これらの企業にもう1度輝きを取り戻して欲しいと願っているのだが。
そんな中でも小規模や中規模のブースは軒を連ねており、米国宇宙産業の規模の大きさを垣間見た。桜餅も食べていないのにお腹一杯になった1週間であった。
2025年3月 宇宙ビジネス関連『事業ポジション別』・『市場分野別』トピックス
【Established Space及び他トピックス】 | 【Hybrid Space】 | 【Emerging Space】 | |
【衛星】![]() | ■Maxar社はGEO市場が減少する中で謎の商用GEO衛星を受注(006) ■米国宇宙開発庁の衛星計画が打上げスケジュールを圧迫(020) ■中国がTJS-15の打上げで秘密衛星シリーズを拡大(023) ■軍事衛星保護を支援する英国の新宇宙システム(029) ■静止軌道での中国の足跡の拡大は安全保障上の懸念を引き起こす(038) ■「米国は厳戒態勢にある」 – 中国衛星が宇宙で戦闘演習(059)(図-16) ■サーブ社が高度な宇宙ベースのレーダーデータを軍の指揮システムに統合するための覚書をICEYE社と締結(060)図-17) ■民間宇宙事業競争の激しい時代で国家安全保障と国際協力のバランス(061) ■フランスがユーテルサット社にロシアのチャンネルを停止するよう命じる(066) ■Maxar社はドローン用GPS代替ナビゲーションシステムを打上げ予定(068) ■中国が有人宇宙飛行を支援する新たな天蓮データ中継衛星を打上げ(069) ■Maxar社はGPSレジリエンスのロックを解除するRaptorソフトウェアを公開(072) ■チェコ共和国とウクライナが最初の偵察衛星プロジェクトを開始(073) ■ESAがタレス・アレーニア・スペース社に欧州農業向けデジタルツインの構築を依頼(076) ■中国のメガコンステレーションが離陸、政府は商業宇宙を支援(080) | ■ロッキード・マーティン社、ノキア社及びベライゾン社が5G.MILによる先進防衛能力向上を計画(005) ■中国は政府業務報告書で民間宇宙セクターを強調(017) ■SES社がLynk Global社に投資し“Direct to Device”衛星市場に参入(026) ■米国宇宙軍は静止軌道での監視を強化のために民間衛星に注目(033) ■L3Harris社が国防総省のゴールデンドームプログラムに民間AIパートナーを起用(040) ■衛星メーカーがSpaceXとの競争にどのようにアプローチするか(041) ■エアバス社はユーテルサット社向け次世代OneWebコンステレーションへの電力系供給契約をRocket Lab社と締結(043)(図-12) ■中国の商業打上げ業界を牽引しているもの(045) ■NROはSpaceXでの連続打上げでスパイ衛星ネットワークを拡大(063) ■Gravitics社は米宇宙軍TRSSプロジェクトに向けたSpaceWERXを受賞(070)(図-21) ■ブーズ・アレン社がミサイル防衛のための「ブリリアント・スウォーム」衛星コンセプトを発表(078)(図-23) | ■Spire社はキューブサット間の光学リンクを軌道上実証(007)(図-3) ■アルベド社が1200万ドルのSTRATFI契約を受注(008) ■AST SpaceMobile社は、ヨーロッパでの宇宙主導の別の道を開拓(012)(図-5) ■Viasat社とSpace42社が共同投資し、“Direct to Device”衛星プロトタイプを共有(030)(図-10) ■Astrum Mobile社はNEASTAR-1 GEO衛星製造にSWISSto12社選定(034) ■Dawn Aerospace社が軌道上製造のためのRedius Space社衛星に推進装置を提供(039)(図-11) ■Argotec社がモジュール式衛星プラットフォームを発表(042) ■ヨーロッパが衛星インフレータブルドラッグセイル軌道デモンストレーションに出資(049) ■Exlabs社とAntares社が原子力宇宙船の開発で提携(051)(図-14) ■ジェネラル・アトミックス社のOTB衛星が予定されていた5年間のミッションを完了(053) ■Project Kuiperは衛星規定数投入期限に直面(054) ■フランスのVLEO 5Gスタートアップ企業が通信インフラパートナーシップを締結(056) ■Pangea Aerospace社が推進系事業のシリーズAラウンドを調達(058) ■MaiaSpace社が初の商業打上げ契約に署名(062)(図-18) |
【打上】![]() | ■FAAは、次のStarshipテスト飛行を承認(002) ■ULA社経営者はバルカンロケットは2025年に複数衛星打上げ準備が完了と発言(014) ■アリアンスペース社はフランス軍極秘ミッション打上げ成功(016) ■ESAがEuropean Launcher Challengeの提案を募集(064) ■宇宙軍が国家安全保障用衛星打上げにバルカンロケットを認証(071)(図-22) | ■Firefly Aerospace社はロッキード・マーティン社のLM 400衛星打上げのためのアルファFLTA006ロケット打上げ準備完了(013)(図-6) ■新興のロケット打上げ企業は大きな需要を見込んでいるが、同時に政府の支援を必要としている(027) ■民間宇宙港からサウザンドセイルズ衛星搭載長征8号打上げ(031) ■Isar Aerospace社がノルウェー宇宙機関打上げ契約受注(037) ■NASAが別のスターライナーテスト飛行の選択肢を検討(055) ■Rocket Lab社とStoke Space社がNational Security Space Launchコンペティションに参加(079)(図-24) | ■Rocket Lab社がNEUTRONロケット洋上着陸用海洋プラットフォームを 公開(003)(図-2) ■Starshipテスト打上げで2回連続で破壊した(015)(図-7) ■着陸後のFalcon 9ブースター損失は燃料漏洩が原因(021)(図-9) ■Relativity社がエリック・シュミットをCEOに任命し、Terran Rの開発を推進(028) ■INNOSPACE社がHANBIT-Nanoロケットの発射台-機体インターフェース統合システム試験を完了(046) ■Ceres-1ロケットが中国の民間衛星8機を打上げる(047) ■Isar Aerospace社はライセンス取得後に初打上げの日程を設定(050) ■Isar Aerospace社がSpectrumの試験飛行準備開始(057) (図-15) ■Firefly Alpha社は水曜日にFLTA006を打上げる準備が完了(065) ■Isar Aerospace社のSpectrum1号機打上げが失敗(082)(図-25) |
【その他】![]() | ■ロシア、ISSへの補給船「プログレスMS-30」を打上げ(011) ■米軍スペースプレーンが高度軌道マニューバを含む7回目ミッションを完了(019)(図-8) ■米国DOGEが宇宙事業と連邦政府業務の労働力に与える影響を調査(022) ■シグナス問題がISS貨物ミッションの変更を引き起こす(024) ■ボーイング社は宇宙ビジネスに引き続き取り組む(032) ■中国が2028年の火星サンプルリターンミッションを国際協力で開始(035) ■Crew-10が宇宙ステーションに打上げられる(044) ■Crew-9が宇宙ステーションから帰還(048)(図-13) ■NASAが4億2000万ドルの契約を終了させる(067) ■シグナスのISSミッションは宇宙船本体の損傷が発見され、中止となった(074) ■アルテミス2.0:新月面レースで本当に勝つためのモデル(077) ■エアバス社、エクソマーズ着陸船プラットフォームの契約受注(081) | ■我々は現在月面経済への道のりのどこにいるのか?(036) ■中国企業が有人軌道飛行を狙う(052) ■スーパーシャープ社は2026年の宇宙望遠鏡打上げに向けて2つの重要なマイルストーンを達成(075) | ■Varda Spaceカプセルが極超音速機に必要な重要データを持ってオーストラリアに帰還(001)(図-1) ■Fireflyのブルーゴースト1が月面着陸(004) ■Sierra Space社がISSへの初のDream Chaserスペースプレーンミッションでがん研究を推進(009)(図-4) ■IM-2社の月着陸船ミッションが終了(018) |
【国内】![]() | ■タレス・アレーニア・スペース社が縮小GEO市場でスカパーJSAT衛星受注 (025)(図-20) | ■Isar Aerospace社は初号機打上げ前にアジア初の顧客(日本)を獲得(010)(図-19) |